はじまりは、羽海野さんがBUMP OF CHICKENが好きであり、BUMP OF CHICKENのメンバーが「3月のライオン」が好きだということからだった。 お互いがお互いをリスペクトしていて、お互いの作品を愛している。 じゃあ、何かしよう!! いろいろ考えたけど、できることは羽海野さんはマンガを描くこと、BUMP OF CHICKENは曲を書くこと。 これ以外ないことがわかった。 プロジェクト名は「3月のライオン meets BUMP OF CHICKEN」。 「3月のライオン」10巻特装版にBUMP OF CHICKENの新曲「ファイター」のCD が付属し、 トイズファクトリーが配信限定シングルとして発売するBUMP OF CHICKENの楽曲に、 「3月のライオン」スピンオフが電子書籍で読めるシリアルナンバーが付属。 漫画界にとっても音楽界にとっても初めての試み。 ぜひ、あなたに、読んで、聴いてほしい。
全国書店販売 「3月のライオン」10巻+ BUMP OF CHICKEN CD付き特装版 新曲「ファイター」+PV<AR> 白泉社刊 販売価格:1296円+税 ※特装版では「3月のライオン」スピンオフは読めません
配信販売 BUMP OF CHICKEN 新曲「ファイター」+羽海野チカ描き下ろし「3月のライオン」スピンオフ 配信価格:250円(税込)※配信では「3月のライオン」10巻本編の内容は読めません ※羽海野チカ描き下ろし「3月のライオン」スピンオフは、2015年5月31日までの期間限定で購読可能です。また1つのシリアルナンバーで読める回数は50回までです。
「ファイター」歌詞 一部表記に関するお詫びと訂正 11月28日に弊社より発売致しました「3月のライオン」10巻[特装版]に付属のBUMP OF CHICKEN 「ファイター」歌詞内の一部表記におきまして誤りがございます。 [誤]増していく [正]増やしていく 読者、リスナーの皆さま並びに関係各位にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫びするとともに、ここに訂正させて頂きます。 平成26年12月1日
まんが家は 物語を紙にのせて 音楽家は 物語を歌にのせる 遠い所で、同じように旅をしている人たちがいるのだとBUMPさんの歌を聴くたびに感じていました。今回このような機会をいただけたこと本当に光栄でとても幸せです。精一杯、物語を描かせていただきます。 ──羽海野チカ
3月のライオンをメンバー一同いつも楽しく読ませて頂いています。たくさんの魅力的なキャラクター達の生き様に、大きな感動をいっぱいもらっています。今回このような話を頂きとても光栄に思います。全力で取り組ませて頂きます。 一度でいいから川本家の食卓にお邪魔してみたいです。 ──BUMP OF CHICKEN
BUMP OF CHICKENと羽海野チカのコミック『3月のライオン』がコラボレーションをするという話を初めて聞いたとき、鳥肌が立った。 音楽とコミックのコラボレーション──よくあることのように一瞬、思えるかもしれないが、普通はその間にはテレビアニメとかドラマとか映画といったものが挟まらなければ成立しない。しかし、今回のコラボレーションにそれはない。にもかかわらず実現に至った。いや、むしろこの両者のコラボレーションに何かが挟まっていてはいけなくて、ダイレクトでなければならなかった。BUMP OF CHICKENの音楽が伝えてきたことと、『3月のライオン』が伝えてきたことの間には、あまりにも特別な、奇跡的とも言えるような共通点があるからである。 『3月のライオン』の主人公は、幼い頃に事故で父と母と小さな妹を失い、心に傷を負ったまま将棋のプロ棋士となり、孤独な生活を送っていた少年・桐山零。2007年に『ヤングアニマル』で連載がスタートして以来、この作品を読みながら、個人的に僕は、自然と心の中でBUMP OF CHICKENの音楽が鳴るのを感じていた。たとえば生きている意味を見失ったまま生きることに導かれる零の姿に“ハルジオン”を、戦う棋士の性としてまわりのモノを喰いちぎってでも生きる道へと手が伸びてしまう零の姿に“ギルド”を、引き取られた幸田家のなかに存在しているだけで義理の姉弟たちの命を押しのけてしまうことに気付き家を出た零の姿に“カルマ”を、僕は重ね合わせながら読んだのである。 そして川本家の3姉妹や「放課後将棋科学部」の人々などとの交流のなかで生きる意味や喜びを取り戻していく零の姿と、消えない悲しみや痛みがあるからこそ“HAPPY”や“ray”といった強く明るい楽曲を生みだしてしていく近年のBUMP OF CHICKENの姿は、もはや自分の中でもどちらが先かわからない形で重ね合わさっている。 もちろんこれらのBUMP OF CHICKENの楽曲と『3月のライオン』の物語は、勝手に僕が重ね合わせているだけで、直接的に影響を及ぼし合っているわけではない。しかし偶然に共通点を持っているわけでもない。お互いがお互いのファンであることは確かだが、そんな単純なことでもない。敢えて言葉にするなら、「生きること」に同じ真剣さで向き合って表現活動をしている両者が、必然的にシンクロしているということである。 BUMP OF CHICKENと『3月のライオン』がコラボレーションする──それはふたつの、別個でありながら同時代を同感覚で生きる物語が奇跡的に交錯する瞬間である。そこにどんな楽曲が生まれ、どんな漫画が生まれるのか。その誕生の瞬間が、それぞれのファンとして待ち遠しくてたまらない。(ロッキング・オン/CUT編集部 古河晋)